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ひとりで悩まないで:貸金業法改正/下 多重債務、整理し再出発

毎日新聞/06月09日

 貸金業法の改正は、多重債務問題の解決が目的だが、すでに借りた借金は個人で解決しなければならない。返済が重すぎるほど借りてしまった場合、特定調停などの債務整理も解決の手段だ。

 「調停があなたのためになるように正直に話してくださいね」。東京都の会社員、達雄さん(31)=仮名=は昨年10月、消費者金融など2社にあった借金を整理するため、都内の簡易裁判所で特定調停に臨んだ。初めての裁判所で不安だったが、調停委員の穏やかな物腰に緊張が解けた。

 達雄さんは04年から信販会社のクレジットカードで借金し、趣味のカメラや生活費にあてた。限度額まで借りた後は、消費者金融から新たな借り入れをしたという。月々の返済は4万円だったが、手取り18万円ではやりくりが苦しく、多重債務者の自助・支援団体「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」(東京都)を訪ねた。「自分で安く債務整理ができる」特定調停を勧められ、昨年9月に申し立てた。

 調停委員のあっせんを受けて貸金業者との和解を目指す特定調停は、十分な法律知識がなくても、簡裁の窓口に申立書のひな型があり自分で手続きが可能だ。改正貸金業法で引き下げられる出資法の上限金利周辺で借りていれば、借金の残高は減ることが多い。達雄さんは合計63万円の借入残高があると思っていたが、調停で確定した残高は20万円。毎月無理なく返済できる金額を「2万円」と話すと、調停委員はその場で業者に電話で了解を取り、調停が成立した。費用は、印紙代などが業者1社あたり2000円程度だった。しばらくクレジットカードは持てないが、「趣味のカメラは収入の範囲で楽しみます。生活を見直すきっかけになりました」と、達雄さんは笑う。


 特定調停のほかに債務整理には三つ方法がある。任意整理は支払い条件を交渉するのは特定調停と同じだが、簡裁を通さない業者との直接交渉。弁護士や司法書士に依頼するのが一般的だ。報酬は高額で幅があるので、事前に確かめて依頼することが必要だ。

 自己破産は、返済がどうしても不可能な人の最終的な手段。裁判所に申し立てて債務全額が免除になる「免責決定」を受ける。99万円以下の現金と家財道具など生活に必要なものは手放さなくてよいが、家や車などの財産は処分される。

 個人再生は、大幅な債務の減額を受けながら、家を手放さなくて済む。裁判所の認可を得て再生計画を進める手続きで、債務残高をおおむね10〜20%に減額し原則3年の分割払いで返済する。債務総額が5000万円(住宅ローンは除く)までで、継続して収入の見込みがある人が利用できる。複雑な書類をたくさん作らなければならないため、弁護士や司法書士に依頼しないと難しい。

 いずれの方法も「事故情報」が民間の個人信用情報機関に登録されるため、整理後は借り入れやクレジットカード発行が難しくなる。ただ、事故情報は5年以内に抹消されることになっている。


 また、債務整理しても仕事がないなどで生活再建が難しい場合、「生活福祉資金」などの融資制度がある。生活福祉資金の「生活支援費」は、連帯保証人がいる場合は無利子、連帯保証人がなくても低利(年1・5%)で最大月15万円(単身世帯の場合)の融資が受けられる。国の制度で、各地の社会福祉協議会が窓口だ。全国社会福祉協議会の民生部副部長の下沢秀美さんは「多重債務の借り換え目的や債務整理中は利用できないが、債務整理をすれば利用できます。まずは相談してほしい」と呼びかけている。

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